矯正治療を始められる方へのお願い
これから矯正治療を始められる皆様へ、治療を円滑に進めていくために当クリニックからいくつかのお知らせとお願いがございます。
矯正治療は、長い治療期間を必要とします。皆様と私たちスタッフの二人三脚のマラソンのようなものです。私たちがお手伝いいたしますので、ゴール目指してがんばりましょう。
来診について
矯正治療は、期間のかかる、気長な治療です。途中であきないように頑張ってください。
矯正治療が始まりますと、おおよそ3~4週間に1度の間隔で通院が必要となります。ただし、顎(あご)の発育や歯の生え変わりを見ながら、適切な治療時期まで経過を観察するときには、3か月あるいは半年に1度くらいの間隔となります。
お約束について
通院されると次回の来院日のお約束をいたします。
もし、約束の日時に来院できないときは、前もってご連絡の上、約束日時の変更をお願いします。診療は、完全予約制です。約束の時間に遅れたり、約束日以外に来院されますと、診療できない場合があります。
できるだけ皆様のご都合に合わせたお約束をお取りしたいと思っておりますが、診療時間が長くかかる時などは、ご希望の日時がお取りできない場合があります。
また、お仕事や学校の関係で土・日曜のご都合がよい方が多いかと思いますが、すべての治療を土・日曜だけで進めることは、できない場合がありますので、ご理解、ご了承くださるようお願いします。
歯磨きについて
私たちは、歯の清掃をとても大切に考えております。
矯正治療によりせっかく歯ならびが美しくなっても多くの歯にむし歯ができてしまったり、歯肉の病気が悪化してしまったら矯正治療の意味がありません。よって、矯正装置が入るたびに歯磨き指導を行っております。
皆様が普段お使いの歯ブラシを来院される際にお持ちください。磨き方が足りないときや、磨き方を工夫した方がよい場合も歯ブラシをご持参ください。その場で練習します。今まで以上に歯を清潔に保てるように習慣付けましょう。
なお、治療前に歯を磨きたい時は、歯みがきコーナーがありますのでお申し出ください。また衛生上、歯ブラシの預かりや貸し出しは行っておりません。歯ブラシをお忘れになると、お買い求めいただく事もあります。
抜歯処置や虫歯治療等を必要とする場合
矯正治療中に歯みがきをおこたると初期むし歯の白濁やむし歯になります。むし歯等の処置が必要な場合には、連携している歯科医で処置していただき費用は、別途かかります。抜歯が必要な矯正治療の場合や矯正治療後の最終補綴物も、連携歯科医にて処置していただきますので、費用は別途になります。
矯正装置と歯について
矯正治療に使われる装置は、たくさんの種類があります。
この多くの装置の中から、皆様一人一人に合った装置を選んで治療を行います。お口の中の装置は複雑で時には、こわれることがあります。曲がったり折れたりした時は、すぐに連絡してください。応急の処置をいたします。
一日も早く良い歯ならびになるために、当院の指示に従って、装置やゴムリングの使用のご協力をよろしくお願い致します。また、歯の痛みは2~3日から1週間程で痛みは小さくなっていきます。歯の動きのよい方は2週間後にまた歯が動き出し痛みが若干あります。
歯の動きには個人差がありますので、動きが遅い場合は、予定治療期間が延長する場合があります。
保定装置について
矯正治療できれいにならび変えられた歯は、元の状態に戻る性質があります。歯を動かし終わり、装置をはずした段階では、歯ならびは、まだ落ち着いていません。そのためには、歯が元に戻らないように保定装置を使用する必要があります。
保定装置は、上下の前歯の裏側に着ける固定装置と着脱式プレートで2年間の保定期間を要します。使い方は当院の指示に従ってください。通院は3か月または6か月(定期健診)になります。保定装置の使用をおこたると歯ならびが元の状態に戻ってしまい、長い期間がんばって矯正治療を続けてきたのがすべて無駄になってしまいます。ただし、下の前歯の凸凹などのわずかな乱れは、年齢が進むにつれて若干生じてきます。
歯肉退縮、歯槽骨吸収について
大人の矯正治療で歯ならびの凸凹や歯の形によっては、矯正治療中に歯肉が退縮する場合があります。きれいな歯の形に修正したり、当院の歯みがき指導に従っていただき改善を試みます。また、お身体やお口の環境変化にともない歯肉の退縮や歯槽骨吸収することがあります。持病でお薬を飲んでいる方、体調がすぐれない時は、全身疾患にもかかわりがありますので、必ずお申し出ください。
歯根吸収について
矯正治療をした場合、まれに歯の根の先が短くなること(歯根吸収)があります。その原因は、まだはっきりわかっていません。しかしそのために歯がぐらぐらしたり、抜けたりすることはなく、歯の機能や見た目などの日常的には問題ありません。
顎関節症について
検査の時に確認しておりますが、顎関節症は、矯正治療で治ることもありますが、必ずしも確実に治るというお約束はできません。また、まれに矯正治療中に生じることもあります。顎(あご)の痛みや音に違和感を感じた時は、すぐにお申し出てください。顎関節治療と並行して治療を行います。